「餞別」をご存じですか。あげたり、もらったことがありませんか?たぶんこの語句に慣れておられるのは、ある年齢層から上だと思います。今ではひょっとすると片田舎の方が上京されるときなどに遣わすかもしれません。確かめていませんから、正確には分りませんが、ほとんど死語に近いとおもいます。昭和30年代の頃、地方の工場から東京の本社へ出張、あるいは帰省旅行の際にその都度周りの方からなにがしかの餞別をもらって出掛けていたようです。そして、帰朝報告としてお土産や、旅先の話題を報告していた光景を見ました。まして、その土地に帰らない転勤や移転などが絡むと、餞別は当たり前のように差し上げたり、貰ったり。とても人情味のあふれる風習だったんだなと痛感します。人にとっては旅行は、できない人、できるような境遇、環境ではない人にとっては、一種の憧れであったのでしょう。そして、帰ってくる人には、いろいろ日常では見聞きできないことを聞かせてもらう、あるいは見せてもらうのが楽しみで、近所付き合いの重要な一部分だったのです。これもなくなってしまった文明でしょうか?